曖昧

なんでも白黒つけたくて、

0か100しか選択肢が無くて、

間のグレーや、99の可能性に気づくことも

受け入れることもできなかった。

 

それが苦しいことだと思わなかったし、

ダメだとも思わなかったし、

そもそも自分がそんな選択をしていることにも

気づいていなかった。

 

でも極端な思考を選んでいるうちに、

自分でも気づかぬうちに相手を否定していたり、

逆に否定されたように受け止めたり、

正しいか正しくないかで

腹を立てることも多かったような気がする。

 

極端な思考は、完璧主義が好きで、セットになりたがる。

別に欲しいと思ったわけでもないのに、

知らないうちに白黒思考と完璧主義を身につけて、

それで知らずに自分を武装している。

 

それで生きていくのは苦しいんだ。

実はずっと、苦しかったんだ。

今まで気付かず…

いや、気づこうとしなかっただけで、

こんなにたくさんの物や事であふれる世界で、

2つしか選択肢が無いなんて、

苦しくないわけがない。

 

人なんてロボットじゃないんだし、

何かが欠けてて上手くできなくて、

不器用で不完全なものなのに。

自分もそんな生きものなのに、

一生なれない完璧な存在に憧れて、

いつかなれるんじゃないかと希望を胸に、

ずっと今の自分にダメ出しをしていた。

 

と、人生のある時期に気づきました。

そうだったのか、と思った時、それまでの人生観が180度変わるような、

強い衝撃を自分の中に感じました。

でも同時にとても嬉しかったんですよね。

これでやっと「なりたい自分になれる」と、そう思えた瞬間でもありました。

あれから十数年経って、

今は曖昧さをかなり取り入れることができたけど、

それでもたまに、完璧さを求める気持ちが顔を出したりします。

そんな時は、「あら、まだいたのね」と思ったりしながら、

そんな自分のこともゆるりと受け止めるようにしています(^ ^)

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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