花しょうぶ
詩画作家の、星野富弘さんが亡くなってしまいました。
私は彼の詩が好きで、画集も何冊か持っています。
初めて星野さんの詩を目にしたのは、
中学校の国語の時間でした。
何気なく見ていた教科書に、
星野さんの詩が1つ、載っていました。
私はそれを読んだ時、
何とも言えない気持ちになりました。
優しくて、悲しい。
深い海の底のような、闇の中のような、
それでいて
明るい光が差しているような…
ただ、すごく感動して、
忘れられない詩になりました。
13か14歳の頃の私が、
星野さんの本当の気持ちなんてわかりもしないのに、
それでもどこか自分を重ねて、
なぜか理解してもらったような、
心をすくい上げてもらえたような気がしたんですよね。
中学生の頃、お小遣いはとても少なくて、
簡単には買えない詩集でしたが、
どうしてもその詩が載った詩集が欲しくて、
お小遣いをためて買いました。
1ページずつ、
丁寧に丁寧に、読みました。
体育教師をしていた方が、もう自分で動くことが出来なくなった時の絶望を思いながら、
運動が苦手な自分より
ずっと苦しいんじゃないかと思ったものです。
そして、
私もいつか大人になった時、
こんな詩が書けるような、
そんな視点を持てるような、
そんな大人になりたいと思ったものです。
私のように、彼から感動をもらった人達は
世界中にたくさんいるでしょうね。
たくさんの想いの中の小さな1つですが、
彼の暖かく優しい詩に救われた1人として…
たくさんの感動を、ありがとうございました。
最後に、私が星野さんを好きになった
きっかけの詩を、載せさせていただきますね。
『花しょうぶ』
黒い土に根を張り
どぶ水を吸って
なぜ きれいに咲けるのだろう
私は
大ぜいの人の
愛の中にいて
なぜ みにくいことばかり
考えるのだろう
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