ACだった私が今思うこと

私のプロフィールにも書いていますが、

私は子育てを開始してまもなく、自分の持ってる感覚が間違っているんだということに気づきました。

息子が3歳、娘が0歳の時です。

 

その頃夫の転勤があり、知人も家族も居ない田舎の方へ引越しし、

新しい環境で夫の帰りは遅く、文字通りのワンオペ育児をしていました。

それまでは、自分の感覚を頼りに、自分が良かれと思う子育てをしていましたが、

息子は癇癪持ちで夜泣きや夜驚症もあったので、楽な子育てではありませんでした。

思い通りに行かない子育てやイライラや疲れから子供を怒る頻度が増え、

子供に上手に寄り添えない自分がいました。

そんな自分が苦しかったし、何より私がそんなせいで、子供が可哀想でした。

でも、どうしていいのかわからない…

藁をも掴む思いでネット検索をして、解決策を探していた時、

「アダルトチルドレン」の言葉に出会いました。

 

AC(アダルトチルドレンの略)は病気ではないですが、様々な生きづらさがあり、

「どうせ上手くいかない」「自分なんて…」と、自己肯定感は低く孤独感も強めな傾向にあります。

自分がACだったんだとわかった時は、本当に大きな衝撃を受けましたが、なぜそれまで「自分は人とは何かが違う…」と思っていたのか、

理由もわからずに孤独感に襲われたりするのかがわかって、ホッとしたのを覚えています。

 

当時は今より社会的な認知度も低く、精神科医でも否定的な意見を持っている人が多かった様に思います。

実際、私は自分の苦しさからACの対処法を聞きに心療内科を受診しましたが、

「そんなの病気じゃないんだからなんでここに来たの?」と言われ、

絶望にも似た、とても悲しい気持ちになりました。

ACに関する本を読んだりネットで調べたり、

自分もACだと言う方が書いているブログを読んだり、その方に相談したり…

私がACである限り、子供たちを幸せにしてあげられないと思っていたので、何としてもACを克服したいと必死でした。

 

そうして自分の思考の癖に新しい回路を作る練習をして、何度も行ったり来たりしながら、

今はACを克服することができました。

当時自分を苦しめていた色んな思考は、今かなり緩やかになり、

私は自分自身に苦しめられる感覚を手放すことができました。

ここまで来るのは本当に、簡単ではなかったのですが…

 

ちょっと悲しい言葉で書くと、

「私からあの子達を守らなきゃ」という思いが、

結果的に私を子育てや自分自身と向き合わせてくれて、それを続けさせてくれて、

私は時間をかけて少しづつ変わり、ACを克服することができたんだと思っています。

 

自分が変わったと自覚する場面はいくつかありますが、

何か上手くいかなくても「もう一度チャレンジしたらいいじゃない」と思えるようになれたし、

何かを頑張れなくても、それでいいんだよと自分に言ってあげられるようになったり、

自分を許したり甘やかすことが上手くなって、

何より自分の事も、周りの人のことも愛おしく大切にできるようになったと実感できるようになったことでしょうか。

これは、自分の満足感とか幸福感と直結している気がします。

こんな感覚を手にして初めて、昔の私は苦しかったんだな…と自覚することもできました。

 

今までは、なるべく苦しい・辛い気持ちを避けたかったけど、

でも今は、苦しい・辛いがあるから、気づけることがあって、

改善するにはどうすればいいんだろう?と、自分と向き合うことができて、

試行錯誤することができて、

そこから一歩でも前進できた時に、

やって良かったと思えることができるんだなと学びました。

 

自分と向き合うことが苦手な人は多いと思います。

だからこそ、私はそんな気持ちに共感し、

横に立ち、一緒に少しづつ、

その人の「こうなりたい」に寄り添っていけたら…と思っています。

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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