私の見え方

「人からどう見られるのか」と

「人にどう見てもらいたいか」は違うんだと気づきました。

私は心理の勉強の傍ら、物づくりもしています。

子育てと両立して家で仕事ができないかと考えて始めたのがきっかけです。

自分の世界を表現できる楽しさ、それを見に来てくださるお客さまの笑顔が嬉しくて、

どんどんのめり込んでゆきました。

自分が可愛いと思うものを出していれば、人もそう思ってくれるだろう。

そう考えていました。

けれども、引っ越しをした辺りから売れ行きが悪くなり・・・私の苦悩の始まりです。

 

数よりも質で勝負!と、作品のクオリティを上げる為に時間と手間をかけるようになると、

作品数がいつも足りないと感じるジレンマ。

何度チャレンジしても、以前の頃のような売り上げにはならないのです。

私は「仕事」としてやっている以上、稼ぐことができなければ「趣味」になってしまうという恐怖や、

何度工夫を凝らして作っても売れ残ってしまう作品を見て自己否定感が強くなりました。

そのうち、作る行為が苦痛に感じ、出店することが億劫に・・・

でも、ここまで頑張ってきたんだから「もったいない」という気持ちや、

もしかしたら次こそは・・・という期待にしがみつきたい気持ちもありました。

 

こんな苦悩と試行錯誤の日々をさらに数年過ごし、ある時、

自分が表現したいと思っていることは全て、「人からどう見えるか?」を基準に考えている自分に気づきました。

どんな風にしたら良いと思ってもらえるか?を判断基準にしていましたが、

これは完全に他人軸によるもので、自分がどうしたいかは、もうわからなくなってしまっていたのでした。

 

そこからも苦悩の日々は続きますが、幸いにも私は物づくりと同じ期間だけ、

心と向き合い心について学んでいましたので、

自分の状態を把握して、自分がどうなりたいかについてじっくりと考えることができました。

私はすでに他人軸で生きることはしんどいのだと知っていましたが、

人に見てもらおうとすると他人軸が発動してしまうのです。

でも、自分軸に戻そうと必死になると、自己満足で終わってしまう。

難しい・・・どうすればいいんだろう?

本当に、理屈がわかったとしても心はとても複雑で単純にはいきません。

 

けれどもさらに学びと時間を重ねるうち、自分は必死に「どう見られるか」を改善しようと頑張ってきたけれど、

本当は「どう見てもらいたいのか」だったんだな、と気づくことができました。

私は何をどんな風に作り、それをどう見てもらいたいんだろう?

この問いかけは自分軸であり、同じことをしているのに、感覚が全然変わったのがわかりました。

同じようなニュアンスですが、

「人からどう見られるか?」と「人からどう見られたいか?」は目線が違うのです。

他人から見られた自分を意識する(他人軸)のか、他人からどう見られたいかを自分で決める(自分軸)のかでは、

感じ方も受け取り方も変わってくると思います。

 

私は物づくりを通して人とつながりたいと思っているし、それで人が喜んでくれると私も嬉しい。

笑顔の連鎖を繋げていきたくて、今も物づくりをしています。

その為に必要なことは、お客さまがどれだけ喜んでくれるのかな?と自分が答えを探しに行くこと。

どんな風に表現すれば伝わるだろう。何をすれば喜んでもらえるだろう。

人を相手に何かをする時、相手の目線を無視してはコミュニケーションも成り立ちません。

けれども、相手の為に自分は何ができるかな、と思う「自分の気持ち」もとても大切なんですよね。

 

この感覚ですでに沢山の方たちが活躍されていることでしょう。

でも、私のように、何年も悩み、遠回りしてここに辿り着くような人もいるのですよね。

人の感覚もできるまでのスピードも、全然違うから、

すぐに何でも上手くできる人が羨ましくなったりするけど、

私はこんな遠回りするタイプなんだな、

時間はかかるけど、ここまでの道のりも色んな苦悩を味わえた、

私だけのストーリーになるな、と思えるようになりました(^^)

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

コメントはお気軽にどうぞ