2人の落としどころ

「相手の言うこともわかるけど、自分の思いは変えられない」

という考えのもと、誰かと向き合おうとする時、

もし相手がその考えを受け入れてくれなければ、

そして、相手も同じように考えていたとしたら・・・

2人の考えはぶつかり、平行線をたどり、わかり合うのが難しいと感じるかもしれません。

 

自分以外の誰かと関係を築こうとすると、相手と向き合う必要がありますが、

家族という集団の関係性はそれ以外の人よりも親密なので、

意見がぶつかりやすく、相手とわかり合えないと苦しみや辛さも大きくなってしまいます。

 

自分の考えは皆持っているけど、それを主張する度合いは人によって違いますね。

「良い」と思う基準も人によって違うので、

どちらか一方が強いというような不平等な関係性は長く続きにくいことは想像がつくと思います。

 

同じような感性や感覚なら、意見のすり合わせはスムーズだと思いますが、

子育て観や金銭感覚などの感覚や価値観が違う場合、夫婦の関係性自体にも大きな影響を与えてしまいます。

どちらも自分にとっての「正しいと思う価値観」があるからこそ、譲れないとなると、

どこに落としどころを見つけていけば良いのでしょうか・・・

 

お互いが家族や夫婦としての関係を大切に思い、なんとかしたいと思う気持ちは同じなのに、

どちらが悪いと判断しようとすると、落としどころを見つけにくくなってしまうように感じます。

 

相手が悪いと責めたくなる気持ちがある場合でも、

責められた側にも「どう感じていたのか」という個人的な思いがあるので、

それを無視してしまうと、向き合うことが難しくなるのでは・・・と思っています。

 

相手は何を考えてそのような言動をするんだろう?

それは自分とどれくらい、何が違うんだろう?

少し見方を変えて、相手の気持ちを優先して考えてみるのはいかがでしょう。

 

自分達が上手くいかないと感じる場面を想像した時、多くは喧嘩になってしまっていませんか。

その喧嘩の場面では、相手を責めてしまっていませんか。

表現していないつもりでも、心で責めているとそれが表情や声のトーンに出て、相手に伝わってしまうこともあります。

 

相手を優先するなんてできないと思われるかもしれませんが、

気持ちを受け止めてもらえたら、嬉しいものです。

少なくとも私は、そう感じています。

だから、自分がしてもらって嬉しいことを、先にお相手にしてみるのはいかがでしょう。

 

「自分をこの先もずっとわかってくれないなら、この人とやっていくのは難しいかも・・・」

と自分が思っている時は、相手も同じことを思っているかもしれないのです。

 

だから、先に相手の気持ちを受け止めてみる。

相手の気持ちに寄り添って、相手はどんな気持ちになったのかを想像してみる。

相手から見えてる自分を想像してみる。

相手が感じた気持ちや思いを自分も味わってみる。

 

そこでもし共感する部分があれば「そうだったんだね」と、

あるいは謝罪したいような気持ちがあれば「ごめんね」と、

それを表現してみてください。お相手に、伝えてみてくださいね。

 

そして、ご自身の気持ちも「私はこう思っていたんだよね」と話してみてくださいね。

自分が感じていた気持ちも、相手と同じくらい大切なものなのですから。

もしこれを2人で同じように意識できたら、今までよりずっと、話やすく感じるのではないでしょうか。

 

難しいと感じている方にとって、相手とわかり合うって簡単じゃありませんね・・・

でも、それでもなんとかしたいと思うから、悩むのだと思います。

 

最初は、うまくいかないと思うかもしれません。

そのたびに、うまくいかないのはなぜなんだろう・・・?と考えて、

試行錯誤していくことで、お2人の落としどころって

見つかっていくのではないでしょうか。

 

2人だけではもう無理だと感じられた時は、

カウンセラーという冷静に対応する第三者を介してお話合いをすることで、理解が得られる場合もございます。

どうぞご検討いただけたら、と思っております。

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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