言葉のちから

私が先日読んだ本の中に、

「人は何に向かって生きているかというと、確実に死に向かっているのです」とありました。

前後の文脈が無いと唐突ですよね。

その前段階で色々と説明はあったのですが、要は、

自分の人生を生きる上で、何かを成し遂げようとしなくてもいい。

成長しようとしなくてもいい、前進しなくてもいい。

ただ、あるがままを受け止めているうちに、自然と人生の終わりに近づいていくのだから、

それに対して、何か価値を見出さないと、と自分に評価を下さなくてもいい。

と、伝えたかったのだと思います。

 

私は元々自己肯定感が低かったので、10代の頃は自分でも気づかぬうちに、

「何かを成し遂げなければ」と思い込んで、何に対しても一生懸命頑張っていました。

何もしない・できない自分ではダメだと決めつけ、思い込み、

常に何かを頑張って、その評価を他者にゆだねて過ごしていました。

そうやって頑張ったことで得たものもたくさんあるので後悔もないのですが、

「成長しなくては」「何かを成し遂げなければ」「価値を認められなければ」と

思わなくてもいいんだ・・・と、

この本を読んだ時、少しびっくりして、なぜかストンと腑に落ちました。

 

どんなにすごいことを成し遂げても、成し遂げられなくても、

私という存在は今日も、昨日と同じくここに在って、

昨日から今日、明日へと続いていく・・・いつか、自分の終わりがくるまで。

その終わりはいつなのかは誰にもわかりませんが、

それはとても自然なことで、当たり前のことで、

どんな私であっても、終わりは必ずくるのだから・・・

そう思うと、私はいかに日々何かに向けて頑張っていたのかに気づいたのです。

やりたいことがほとんどですが、中にはやりたくないことも含まれていました。

家族を想うと、自分の考えだけで行動できないと自分を犠牲にしたり、

日々考えることはたくさんあって、自分で選んでいるようで、

結構「選ばされている」ことにも気づきました。

何かの為に、いつの間にか頑張る私が普通になって、

頑張らなきゃいけないと無意識が作動していることに気づけないでいたんだな・・・

私にとっては、そんな自分が、とても楽になるような言葉だったのですね。

 

人に影響を与える言葉は、人それぞれですよね。

どんな言葉を、どんな風に受け止めるのか。

あなたの元にも、

あなたが楽になれるような、

腑に落ちるような、

フッと心が軽くなるような、

素敵な言葉が訪れますように(^^)

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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