才能

2022年12月16日 2022年12月16日有城蘭

有城蘭

私は小さい頃絵を描くのが好きで、

保育園や小・中学校の文集の表紙絵を描いたり作品が選ばれたりしていて、

子供の頃は、大人になったら絵を描く仕事がしたいと思っていました。

ある日学校から帰ってから、母親に「私絵描きになる」と言うと、

「才能無いと思うけどね」と言われました。

先生はいつも絵を褒めてくれたし、図工や美術の成績はいつも良かったし、

絵を描くことは私の中の、数少ない特技だと思っていたのですが・・・

私は素直に「え、そうなの？私才能無いんだ」と思ってしまいました。

子供は経験値が少なく脳も未熟なので、大人（特に親）の言葉はそのままの意味で受け止めてしまったり、偏った考えになってしまうことがあります。

才能が無いと言われて、少しショックだった気もしますが、

そうなんだ、じゃあ絵描きにはなれないんだな。と思ってしまったので、

中学、高校、大学と進学し成長しても、趣味で絵は描いていましたが、

だんだん楽しく描けなくなりました。

発想力や想像力が足りないと自己分析し、だからつまらない絵しか描けないんだと。

独創的な素晴らしい絵は私には描けないと思うと、

描くこと自体を楽しめなくなってしまったんですね。

「素晴らしい絵を描くことはできない」という心の裏側にある「だって私には才能が無いんだから」という隠れた心理にはずっと気づくことができませんでした。

こんな風に、自分では気づかないうちに自分の限界を決めていたり、

自分のことを知らずに否定してしまう心の動きというのがあります。

私は最近になって、

また絵が描きたいと思えるようになってきました。

今度は誰に否定されても、どんな評価もいらないから、

自分だけの、自由な絵を、自分が楽しみながら描けたらいいなと思います。

勝手に埋め込まれた観念は、気づければ変えることはできます。

少し時間がかかっても、ちょっと大変でも、

自分を知らずに傷つけ続けるよりはずっと良いと思うのです。

有城蘭くれたけ心理相談室（札幌支部）心理カウンセラー

北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。