なんでわかってくれないの?

夫婦や恋人、親子や親友など、

自分にとって近い存在の人との関係は、

上手くいかない時ほど、その辛さや苦しさは大きなダメージを与えてきます。

 

血の繋がりがあってもなくても、

相手は自分とは違う人間で、

全く同じ価値観や感覚になることは難しい…

 

だからこそ、すれ違いが起きるし、

相手に不満を持ったり、責めたり、

逆に自分が悪いと責めたり、落ち込んだりしてしまいますよね。

 

相手との関係の中で怒りや悲しみがある時は、

自分が相手に受け止めてもらえてない・認めてもらえてないという感覚が

どうしても強くなってきてしまいます。

だから「なんでわかってくれないんだろう?」という気持ちになってしまうんですよね。

 

この視点でいる間は残念ながら、

相手の気持ちに寄り添うということは難しいのかな…と感じています。

どうしても、自分の傷が痛むので、そんな状況で相手に寄り添う余裕も無いんですよね…

 

ただこのタイミングで、

自分が苦しいから、これ以上苦しみたくないから、

そこを見ないことにする・無かったことにするという無意識が

自然に働いてしまう場合もあります。

自分の心を守るための防衛機制ですが、

この無意識にただ身を任せてしまうと、

「相手と向き合う」ということができなくなってしまったりします。

 

自分の悲しさや苦しさを自分が知り、

それを相手に伝えて、相手に受けて止めてもらうということは、

簡単では無いかもしれないし、さらに傷つくかもしれません。

それは怖いことで、不安で、できれば避けたいことかもしれません。

 

けれども、それを見ないふりをして蓋をして、無かったことにしようとしても、

現状が勝手に良くなることは、残念ながら無いのかなと思います。

なぜなら対人関係は、相手と共に作っていくものだから。

相手や自分の感情を無視して蓋をしている状態では、

より良い関係を作っていくことは難しいのではないでしょうか。

 

もし今、大切な人との関係に苦しさを感じている方がいるのなら、

相手も自分に対して「なんでわかってくれないんだろう?」って思ってないかな?

という視点を持ってみてはいかがでしょう。

 

怒りの感情が強い時に、相手の気持ちを受け止めようとすることはなかなか大変なのですが、

相手の傷に気づくことができた時、

相手に初めて自分の傷を見せることができたりします。

 

自分の痛みを優先するのを一旦横に置いておいて、

相手は何に傷ついているんだろう?と、相手の心の声を聞こうとしてみてください。

1度ではうまくいかないかもしれないけれど、何度か繰り返したり時間を置いたりすることで、

今まで気づけなかった相手の痛みに気づくことができることがあります。

 

そこに気づけた時、

自分の中にある怒りが無くなっていくのを感じることができるかもしれません。

そしてそれを感じられた時が、

本当に相手に寄り添えた時なのかな、と思います。

 

人は、自分が受け止め寄り添ってもらえると嬉しいのです。

あなたが相手にそれをできた時、

相手の心のわただかまりも解れて、

そうだったんだね、とお互いを認めあうような話し合いができるようになるのかなと思います。

 

ここまでを1人でおこなうのには、自分の感情もありますから、

なかなか苦しく、うまくできない…となることもあるでしょう。

そんな時は、どうぞカウンセラーを頼ってくださいね。

カウンセラーは、その為に、そばにいるものなのだと思っています。

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

コメントはお気軽にどうぞ