私の財産

人は昔のことを思い出す時、悪かったこと・辛かったことを多く覚えているそうです。

それは、その記憶を参考に危険から回避する為の本能のようで、

楽しかった・嬉しかった記憶はあまり残らないそうです。

 

そう説明されると、本能によって大事な記憶も選別されているんだなぁ・・・

なんて思いますが、

確かに、過去を振り返った時、辛かったこと・傷ついたことをよく思い出した気がします。

 

そして、失敗したこと・後悔していること・恥ずかしかったことなども、それに連なって覚えているものだなぁ・・・と感じます。

これも、もう同じ過ちを繰り返さない為の、意志とは無関係な本能によるものなのでしょうか。

何にせよ、昔の嫌な記憶というのは、なるべく思い出したくないですよね。

 

そのせいか、私は一時期、「辛い事・嫌なことが無い日々を過ごしたい」と思っていました。

極論といえば極論ですが、なるべく不快な感情を感じずに生きていきたいと思っていたんですよね。

 

ただそれから時が経ち、現在の私はそうは思っていないのです。

傷ついたから痛みを知り、後悔するから反省を活かそうとする。

何か自分にとって嫌な事は、結局自分の財産になっていると気づいたのです。

私の中の財産は、経験です。

色んな感情も、経験のひとつです。

その感情を味わったからこそ、その痛みに共感できるのですよね。

 

私はカウンセラーという職業を生涯のものにしようと思い、

そこに意識を向けるようになった頃から、徐々に過去の辛い記憶も財産と思えるようになった気がします。

辛い事があるから、楽しい事を感じれるように、

今までの想い全てが、今の私を作っているのだと思うと、

過去の辛かったことも楽しかったことも、両方あって良かったと。

全部の経験全てが、ありがたいなと思うのです。

 

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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