心が動くとき

先日、ある方が書いた文章を読みました。

その方は、ご自身が体験した事を、幼少期〜現在に至るまでの過程を、時系列にまとめて書いてくださいました。

その文書を読んでいると、

途中からその方の当時の気持ちに感情移入してしまい、

涙が止まらなくなりました。

 

思い出せる限り最初の記憶から掘り起こし、

それと向き合い、その当時の思いも受け止め、

整理して乗り越えたからこそ、

この文章を今、書くことができたんだな…と思いました。

 

大変だっただろうな、という言葉では言い尽くせない、

家族との気持ちのやり取りや自分の思い。

文章に書くとたった一行の中に、

その方の思いの背景が映し出されているようで、

私は思わず「これは泣いちゃうよな…」と思いました。

その文の先に、その方が実際に泣きながら帰ったという描写を見つけた時、

私の心臓もギュっと掴まれたような苦しいような気持ちになって、涙が出てきたのです。

 

人は、自分が経験したことしかわからないそうで、

人の優しさを感じられるということは、

その人が優しい人ということなんだそうです。

 

だとすれば私は、その方の体験した内容のどこかの部分に共感したのでしょう。

共感して、同じ様な気持ちになったから、涙が出たんだと思います。

皆それぞれ、1人ずつドラマのような人生のエピソードがあって、

全く同じものは1つもないけど、

今まで辛いとか苦しいと思ったことは、

今は全部愛おしいと感じている私にとって、

その方の生き方や考え方が、どこか今の自分にリンクしたのかもしれません。

 

「辛い思いをしたことも、財産」とその方が言うように、

明けることは無いように感じられた辛さも、

それがあったから今の自分になれたんだと確信に変わったのでしょうね。

 

涙が出るということは、それだけ私の感情が動いたということ。

私はこれからも、何かを見たり聞いたりして、

その都度心が何かを感じて動いて欲しいと思っています。

泣くことが好きなわけじゃないけど、

何かに気持ちが反応して、感情が動くって、

それだけで必死に生きている感じがして、

その感覚がちょっと好きなんですよね(*^^*)

 

いつか、この文章を書いた方にお会いできたらいいな、

と思ったのでした。

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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