思いやり


私はなるべく、もらうより先にあげられる人で在りたいと思っています。

以前は、先にもらいたい人でした。

欲しがることばかりで、どれだけあげられていたのかは、わかりません。

持っているものを人に渡すのはなかなか勇気が要ることでした。

勇気、と言うのとは少し違うかもしれません。

本当は、あげるのが勿体ないとか、自分だけ損をすると思うのが嫌だっただけかもしれません。

 

でも、私の友人に、「先にあげられる人」がいるのです。

その人は、相手が喜ぶなら、助かるなら、「私は大丈夫。先にどうぞ」と言える人。

私が困って相談すると、どんなに忙しい時でも時間を作ってちゃんと話を聞いてくれます。

真剣に聞いて、思ったことを話してくれます。

だけどこちらを否定したりせず、

最後には前向きな気持ちになれるような言葉を選んでくれようとします。

こんな風にしてもらうと、単純に嬉しくなります。

だから私は、その人にそうしてもらうことを当たり前に思わず、

そうしてくれることにいつも感謝して噛み締めるようにしています。

 

彼女が私を大切に思ってくれるのがわかるので、

私はいつもその倍返したくなるのです。

 

そして気づきました。

彼女が与えてくれるから、私も返したくなるんだと。

もし彼女が先に欲しがるような人だったら、

多分私は困った時に彼女を頼ったりしないのかも知れません。

彼女の、損得勘定抜きの優しさが、私に癒しや元気を与えてくれて、

元気になった私は、その事をまた次へと繋いで行きたくなるのです。

 

できることならこの世の中が、

こんな風に優しさの連鎖ばかりになったら、

戦争だって起きないだろうに…と思ってしまうのです。

彼女から学ぶことは多いけど、

私は彼女の「人を尊重する考え方」が好きなので、

自分の在りたい姿を想像する時、今の自分を見つめるきっかけにしたりするのです。

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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