無駄なんてない

私は以前は、なかなか自分にお金を使うことができませんでした。

美味しいものを食べるとか、欲しいものを買うとか、

そういうことをすると誰に対してかわからないけれど、罪悪感を感じていました。

その背景には、「こんな贅沢していいのかな・・・」という心理があり、

そのさらに奥には「私には勿体ない」がありました。

 

そんな頃、ある資格に興味が出てきて、それを勉強しようか悩みました。

資格を取るには、それなりにお金がかかります。

当時の私には結構な額でした。

高いお金を出してこの資格を取ったところで、実際に仕事として成功できるかわからない。

もしかしたら仕事にならないかもしれない、そうなったら無駄だし勿体ないと思ったのです。

けれど、そのことを相談した友人に

「仕事になるかならないかはともかく、資格を取る為に勉強したことは知識として自分の中に残るし、絶対にマイナスにはならないし、そこから世界が広がっていくんだと思う」と言われました。

仕事にできなかったら無駄になると考えていた私にとって、その発想はなかったので、

衝撃を受けたので今でも覚えています。

 

また、以前読んだ本にお金の使い方に対する考え方が書かれていて、

そこには「(目に見える)欲しいものを買った時が一番(100%)満足度が高く、そこからは下がるしかない。だから、お金は物ではなく、自分への投資に使いなさい」とありました。

欲しかったものを買ったその時が一番満たされた瞬間で、

見飽きたり廃れたりして、満足度はその後落ちていくだけという部分に「確かに」と思いました。

それに対して、自分への投資とは、美味しいものを食べたり、見たいものを見に行ったり、

自分の知識や経験が増えることに対してお金を使うことです。

私の友人が言っていたことはまさにこのことで、

経験はお金では買えないけれど、

経験する為の機会を買うことはできるということなんですね。

そして経験とは、人生の財産になります。

経験や知識があるから人は考慮できるようになるし、改善や努力も活かされるのですよね。

 

今の私はまだ経験していないから何もできないけど、

知識をつけたり経験した後の私なら、違うことができるかもしれない。

そう考えると、経験することで広がる世界は確かにあるな、と感じました。

それからは、自分の為にお金を使っても、あまり罪悪感を感じなくなりました。

 

これは今の自分にとって必要なものだったんだよ、

上手くいくこともいかないことも、全部経験として私の中に積もっていくから

無駄なことは一つもない。

そう思えるようになったからです。

 

投稿者プロフィール

有城蘭
有城蘭くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
北海道札幌市を拠点に心理カウンセリングを承っております。心の声に耳を傾け、心に寄り添ったカウンセリングを心がけております。

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